健康経営Health Declaration
1.経営理念・方針
-
(1)理念・健康宣言
当社は、従業員と家族の健康を最重要経営資源の一つと捉え、従業員一人ひとりが心身ともに健康で個人の能力を最大限に発揮できる環境の構築を目指します。
これまで取り組んできた健康維持・増進活動を発展させ、より組織的な健康づくり活動を積極的に推進し、従業員と一体となり健康管理を意識した経営に取り組んでいきます。2024年1月1日
株式会社デンソーFA山形
代表取締役社長 岩﨑 和俊 -
(2)方針
「人」と「健康」を重要な経営戦略に位置づけます。
健康経営を通じ生産性の向上、従業員定着率の向上を図ることで、最大限のパフォーマンス発揮を目指します。 -
(3)戦略マップ
健康経営において解決したい経営上の課題・期待する効果を掲げ、そこへ結びつく具体的なプロセスを戦略マップとして見える化しています。
-
(4)KPI・数値目標
健診結果データ、ストレスチェック集団分析、従業員意識(満足度)調査等を元に課題を抽出。
経営層と従業員が共同で、健康経営推進中期計画を作成し、健康経営全体の具体的な目標を数値化しています。KPI(業績評価指標) 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2028年目標 遅い夕食が多い従業員の割合の低下 33% 33% 37% 34% 39% 20% 身体活動のある従業員の割合の増加 34% 39% 40% 39% 37% 45% 運動習慣のある従業員の割合の増加 17% 17% 17% 19% 21% 25% 十分な睡眠がとれている従業員の割合の増加 66% 74% 72% 74% 72% 80% ワークエンゲイジメント調査分析・改善 NEOS 3.79 3.73 3.77 ‐ - - ワークエンゲイジメント調査分析・改善 活力・熱意・没頭 - - - 活力2.87
熱意3.27
没頭3.05活力2.27
熱意3.11
没頭2.85活力3.50
熱意3.50
没頭3.00プレゼンティーイズム調査分析・改善 - 94% 93% 94% 94% 97% アブゼンティーイズム調査分析・改善 6% 7% 7% 3% 9% 5% - ※「遅い夕食が多い」=「就寝前2時間以内の夕食が週3回以上」
- ※「身体活動のある」=「1日60分以上歩行等の身体活動をしている」
- ※「運動習慣のある」=「1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している」
- ※「ワークエンゲイジメント」=(2021年度以前)
(株)日本経営協会総合研究所「NEOS従業員意識調査」の「仕事のやりがい」の指標を使用(3.5以上が良好、2021年度調査:同業他社平均3.47) - ※ 「ワークエンゲイジメント」=活力・熱意・没頭について7段階(2022年度)、4段階(2023年度以降)の頻度で回答を求めた平均値
- ※「プレゼンティーイズム」=WLQ-J職場のパフォーマンス状況 93以下は生産性の低下
- ※「アブゼンティーイズム」=「インフルエンザ・肺炎(新型コロナを除く)」100人あたりの患者率(2022年度以前)
過去3年度分の医療費データから実患者数を算出し、直近年度末の社員数で割った値。(2023年度以降) - ※各調査の対象は全従業員で回答率100%。但し2022年度ワークエンゲージメントを除く。回答率34%
2.組織体制
経営層が率先して健康経営の取り組みを推進し、部門長が健康経営推進委員を担うことで、各職場の状況に合わせた健康経営施策を確実に実行できる全社横断的な組織体制を構築しています。
またデンソー健康推進部ならびにデンソー健康保険組合の支援を受けながら、さらなる健康増進を目指し着実に取り組んでまいります。

3.制度・施策実行
-
(1)健康増進
①健康診断・各種がん検診の充実
- 個人の年齢や健康状態に合わせてオプション検査を追加できるテーラーメイド健康診断を実施しています。
- 各種がん検診の費用について国の基準より幅広い年齢で補助しています。
- 定期健康診断と各種がん検診との同時実施を原則とし検診を受けやすい環境を整えています。
- 目標受診率:60%以上、効果評価:毎年、評価投資額:700千円(法定必須健診を除く)
- 効果評価:満足度平均3.5点(5点満点)未受診者は定期的に専門医へ通院している者がほとんどですので、高い受診率を維持できています。又、がん検診等は早期発見・早期治療につながり、生産性の向上に寄与しています。
受診率 対象年齢 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 定期健康診断 全従業員 100% 100% 100% 100% 100% 胃がん(X線・カメラ) 35歳以上 83% 76% 76% 74% 73% 大腸がん 35歳以上 85% 79% 80% 80% 80% 子宮がん 20歳以上 68% 65% 71% 67% 67% 乳がん(マンモグラフィ) 40歳以上 41% 46% 63% 58% 66% 乳がん(エコー) 25歳以上 82% 71% 76% 73% 71% 前立腺がん(PSA) 45歳以上 95% 95% 95% 93% 94% 肺がん(胸部CT) 50歳以上 99% 92% 94% 96% 93% 脳ドック(MRI・MRA) 40歳以上 69% 75% 70% 60% 58% 受診率算出方法(受診人数/対象年齢人数)
対象年齢 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 定期健診後の精密検査受診率 全従業員 72% 78% 80% 82% 83% ハイリスク者管理(治療継続)率 全従業員 82% 82% 84% 81% 82% ②ヘルスリテラシーの状況
- 従業員のヘルスリテラシーに関するオンデマンド配信セミナーを実施。
理解度テストと併せて、従業員のヘルスリテラシーを調査分析し、意識変容・行動変容の施策に反映させています。 - 効果評価:毎年、回答率算出方法(任意回答者数/全従業員数)
2021年度 2022年度 2023年度 2026年目標 ①情報収集 84% 84% 86% 90% ②情報選択 70% 71% 68% 75% ③情報伝達 54% 55% 61% 70% ④情報判断 51% 54% 56% 70% ⑤自己決定 63% 63% 66% 75% 回答率 68% 78% 87% 90% ※「強くそう思う」から「全くそう思わない」の5段階の選択肢において、「強くそう思う」「そう思う」と答えた人の割合
③生活習慣病の予防・改善指導
- 地元の健康増進施設と法人契約、社内に運動ルームを設置し、運動しやすい環境を整備しています。投資額120千円
- BMI25以上かつ40歳未満への個別保健指導、オンラインのダイエット教育(健保組合事業)を実施し、生活習慣病予防を強化しています。(受講率100%)
- 目標適正体重者率:70%以上、効果評価:毎年
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 適正体重者率 67% 69% 68% 68% 68% - 40歳代以上の対象者へメタボリックシンドロームの予防・改善を目的とした特定保健指導を実施しています。
特定保健指導 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 初回面接指導率 100% 100% 100% 100% 100% 完遂率 100% 100% 100% 100% 100% - 食生活改善プロジェクトを立ち上げ、定期的にイベント(ワークシート型研修、野菜摂取週間等)を実施しています。
食生活改善プロジェクト 第1回 第2回 第3回 第4回 参加率 48% 35% 20% 35% 常勤の専門職による個別相談
④ウォーキングキャンペーン
- ウォーキングアプリ(健保組合事業)を導入し、積極的に推奨しています。
- 目標参加率:20%以上、効果評価:毎年
ウォーキングキャンペーン 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 参加率 6% 19% 18% 21% 17% ⑤女性の健康課題
- 男性も受講可能な女性の健康課題に関する個別保健指導やセミナー教育を毎年開催しています。さらに男性ライン長には管理職の向け教育を実施しています。
2023年度からは専門医によるオンライン問診(健保組合事業)を導入、個々の状況に応じたきめ細やかなアドバイスを行っています。 - 目標参加率:女性100%、効果評価:毎年
女性の健康課題 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 女性受講率 100% 100% 100% 100% 100% -
(2)感染症対策
①インフルエンザ対策
- 就業時間内に社内での予防接種を実施、社外接種予約の代行、接種料の一部補助を実施し、予防接種を受けやすい環境を構築しています。
- 接種を希望する従業員は全員接種できています。投資額:100千円。満足度:平均3.9点(5点満点)
②風しん対策
- 風しん第5期定期接種の対象社員全員に対して風しん抗体価検査を実施、抗体がない場合は、予防接種の予約を代行し、全員予防接種を受けています。
③新型コロナウイルスなど感染症対策
- 感染予防策、感染疑い時の対応、復帰時の流れをフローチャートで可視化し、防疫リスク管理をしています。
- ワクチン接種を希望する従業員の相談に応じています。副反応時の就労についても配慮しています。
-
(3)メンタルヘルス・ワークライフバランスの推進
①ストレスチェック・プレゼンティーイズム
- ストレスチェックおよびプレゼンティーイズムの受検と個人、職場への事後フォロー(集団分析、専門医面接、職場へのフィードバック)の徹底を図っています。
- 目標受検率:100%、目標総合健康リスク:100 効果評価:毎年、投資額:350千円
- 効果評価:満足度平均3.6点(5点満点)。ストレスをコンロトールすることで、生産性の向上に寄与しています。
ストレスチェック 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 受検率 95.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 高ストレス医師面接者数(人) 3 1 2 2 1 総合健康リスク
(全国平均100※低値ほど良好)94 95 101 101 101 ②ワークライフバランスの推進
- 一般従業員の他、管理職についても長時間労働管理を徹底し保健師による保健指導と医師による面接指導を行っています。
- 目標平均残業時間:25時間未満、目標年休取得率:60% 目標平均勤続年数:15年、効果評価:毎年
ワークライフバランス 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 平均残業時間(月) 21時間 21時間 21時間 21時間 24時間 年休取得率(年) 56% 57% 60% 71% 71% 平均勤続年数 13.5年 13.6年 13.5年 14.0年 14.0年 ③専門医による無料相談
- 心療内科専門医と契約しており、無料で相談が受けられる体制を構築しています。投資額320千円
④職場環境改善活動
- 従業員満足度調査、職場環境(組織の風通し、プレゼンティーイズム等)調査を実施し、各職場にフィードバックしています。組織的に介入することで、ひとりひとりが働きやすい風土の醸成を目指しています。
⑤教育セミナー
- 全従業員が就業時間中に受講できる各種セミナーを実施しています。
- 一般従業員向けとは別に、管理職(ライン長)に特化した教育を実施、受講を徹底しています。
内容:健康的な職場づくり、メンタルヘルス、ハラスメント、女性の健康課題、高年齢者の健康課題、両立支援(治療・不妊治療・育児・介護) 等
管理職(ライン長)向け研修 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 受講率 100% 100% 100% 100% 100% 研修回数/年 1回 1回 2回 2回 1回 研修時間/年 120分 120分 120分 100分 80分 ⑥コミュニケーション促進
- 従業員同士で日頃の感謝を伝え合うイベントや季節感を感じられるクリスマスイベントを開催し、親睦を深めています。
感謝イベント(サンキューDay):参加率14%、目標参加率:100%、満足度:平均4.4点(5点満点)効果評価:毎年、投資額:10千円
クリスマス企画:参加率100%。目標参加率:100%、効果評価:毎年、投資額:39千円
-
(4)受動喫煙防止対策・卒煙支援
- 受動喫煙防止策と禁煙外来の紹介、卒煙支援アプリ(健保組合事業)など卒煙支援、胸部CT検査費用の全額補助、非喫煙者へのインセンティブ等の取り組みを実施しています。
- 2020年6月1日~敷地内の「紙巻たばこ」の使用禁止を完了しています(「加熱式たばこ」は一部を除き使用可)。
受動喫煙防止 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 喫煙率 28% 25% 24% 23% 24% -
(5)両立支援(治療・不妊治療・育児・介護等)
- がん等の疾患や不妊治療、育児、介護を抱えている従業員には、専門職(産業医・保健師・公認心理師・キャリアコンサルタント・両立支援コーディネーター)が個別に相談に応じ、希望者には病院訪問・両立プランを立案するなど、医療機関と連携しながら両立をサポートしています。
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 傷病による休職者率 2.5% 2.7% 1.8% 0.6% 1.8% -
(6)労働安全衛生活動・リスクマネジメント
- 当社では労働安全衛生方針のもと、労働に関係する負傷及び疾病の防止と労働安全衛生パフォーマンスを継続的に改善するために、ISO45001の要求事項に基づいて実施する労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の導入取組を開始、安全パトロールや現場の声の吸い上げを頻繁に実施し、労災につながる危険源の特定・作業リスクアセスメントに取り組んでいます。
- 安全衛生委員会では「安全最優先の人づくり・職場づくり」を掲げ、小さなリスクでも気兼ねなく打ち上げられるような環境の構築、横のつながり重視したコミュニケーションの促進を図っています。
労働災害 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 死亡災害件数 0 0 0 0 0 休業災害件数 0 0 0 0 0 休業度数率* 0.00
(0.34)0.00
(0.68)0.00
(0.55)0.00
(0.63)0.00
(0.64)*()は同業種平均「製造業 26生産用機械器具製造業」/厚生労働省 労働災害動向調査より
-
(7)関係会社との連携・支援効果
- 取引先企業である髙島電機株式会社様に対して、健康経営の推進に関するノウハウを提供し、健康づくりの一助にしていただくような支援を行っています。またウォーキングキャンペーンを共同開催しております。
4.評価・改善
-
(1)従業員定着率
- 経営層と従業員が一体となって健康経営に取組んできた効果として、従業員定着率の向上が挙げられます。
- 健康で個人の能力を最大限に発揮できる環境づくりが、"当社で長く働き続けたい"という従業員の増加につながってきました。
- 2017年より積み重ねてきた健康な職場環境づくりを土台とし、これからも「人」と「健康」を重視した経営に取り組んでいきます。
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 従業員定着率 95.6% 96.5% 95.5% 95.3% 95.0% -
(2)満足度
- 全従業員および経営層を対象に健康経営施策全体の満足度に関するアンケート調査を実施し、施策の改善に努めています。
- 女性の健康課題など施策毎に対象が異なることを考慮し、男女別に集計。2023年度満足度の結果は男性3.9点、女性4.2点(5点満点)
-
(3)社外認定制度
- 2024年3月11日付けで経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人~ホワイト500~」に6年連続で認定されました。
- 従業員が行うスポーツ活動の支援や促進に向けた取り組みを実施している企業としてスポーツ庁主催の「スポーツエールカンパニー」に認定されました。
- 女性活躍やワーク・ライフ・バランスの推進に積極的に取り組む企業として山形県主催の「やまがたスマイル企業~ダイヤモンドスマイル企業~」に認定されました。
-
(4)山形労働局長奨励賞
- 健康保持増進活動が評価され、2022年10月、山形県産業安全衛生大会にて山形労働局長奨励賞(健康確保)を受賞しました。
- 「安全衛生に係る優良事業場に対する山形労働局長表彰」は、労働災害が発生していない期間が特に長く、職場のリスクを低減する取り組みが特に活発に行われているなど、他の模範と認められる優良な企業や団体を称えるものです。
-
(5)地域や社会全体の健康に対する貢献
- 医療関連設備の製造等を通して社会全体の健康増進に寄与する事業の展開や、地元のマラソン大会に協賛し、地域の健康づくりを支援しています。
- 又、献血バスの構内乗り入れを15年以上継続しており、2021年10月、長年の献血活動が評価され日本赤十字社より銀色有功章を受賞しました。
- 2023年5月からは厚生労働省が展開する「スマートライフプロジェクト」に参画し、健康寿命の延伸を推進しています。
5.法令遵守・リスクマネジメント
当社は、労働基準法や労働安全衛生法に限らず企業活動を営む上でのすべての法令を遵守する事はもちろんのこと、社員一人ひとりが「デンソーグループ社員行動指針」に基づいた高い倫理感を持って公正・誠実に行動する事が大事と考え、社員のコンプライアンス意識の啓発に努めています。
具体的な取り組みとしては、まず、各種コンプライアンス教育を定期的に実施し、対象者の全員が受講完了する事を徹底、公益通報者保護法に則った「企業倫理ホットライン」「ハラスメント相談窓口」を設置し、守秘義務や不利益取扱い禁止等をしっかりと遵守しながら運用しています。
また、デンソーグループの取り組みと連携した「独占禁止法遵守規程」や「贈収賄防止規程」等による、法令違反を防止する仕組みを運用するとともに、その啓蒙活動を行う事で、コンプライアンスの強化を図っています。
さらに、当社はデンソーグループサステナビリティ方針に従い、デンソーグループの「サプライヤー・サステナビリティガイドライン」に沿ったサプライチェーンでのサステナビリティを推進しますとともに、当社のステークホルダーに対して、健康経営・ワークライフバランス等の推進・認証取得を推奨いたします。
当社は、自社にとってのリスクを常に把握し、被害の最小化と事業継続の両面からリスクマネジメントを行っています。
具体的な取り組みとしては、各部門において横断的なリスクマネンジメント活動を実施、リスク対応ポケットガイド(地震・火災・交通事故・急病発生時の行動や相談窓口を明示)を作成、全従業員に携帯を推奨しています。
また安否確認システム訓練を不定期に実施し、危機管理の意識を高めています。